公益財団法人
在宅医療助成 勇美記念財団

第1章 在宅医療総論

この章では、在宅医療の必要性や診療の基本、意思決定や家族支援、多職種連携の基本的な考え方を学びます。(   )内は、映像教材の講師名です。各節をクリックすると、テキスト版のPDFと、映像教材を視聴できます。

1.在宅医療の今日的意義(平原 佐斗司)

8割以上の患者が自宅で死亡していた昭和20年代から、地域包括ケア、在宅医療のシステム化の現代にいたるまで、在宅医療の社会的機能とその意義を時系列に振り返ります。

2.対象疾患と臨床課題(和田 忠志)

かかりつけ医だからこそ、通院困難になっても訪問診療を続けるほか、かかりつけ医のいない患者、社会的な困難を抱えた患者や家族と向き合い、生を支える必要がある。そのための臨床能力を概観します。

3.在宅医療の導入(川越 正平)

病院から退院する前から、予測されるステップに沿った準備をしておくことで訪問診療をスムーズに開始することができます。その実践で居宅での生活に即した支援につなげていきます。

4.在宅医療における診療の基本(和田 忠志)

医師の一挙一動は患者さんや家族に影響を与えるものです。この節ではそのことを意識し在宅医療における訪問時の一般的な留意点について考えます。

5.高齢者の診かた(山中 崇)

ここでは在宅医療を必要とする高齢者の特徴を理解します。適切な評価を基に、医療者は生命予後のみならず、身体機能や認知機能の予後予測をおこない、これからの暮らし方について患者や家族と話し合うことができます。

6.在宅医療で実施する検査(泰川 恵吾)

この節では在宅においてベッドサイドで実践できる検査について学習します。適切に治療方針を決定していく上で、検査は医学的情報を集める上で重要なものです。最後には実践的な症例提示を交え講義を行います。

7.家族ケア(鶴岡 優子)

ここでは家族について考えます。介護者として、医療サポーターとして、代理人として、負担を感じていることからケアの対象となることも理解し、家族支援を意識して実践できるように学びます。

8.看取り(太田 秀樹)

在宅医療において重要な看取りについて学習します。生活の場で尊厳ある死を迎えるために、市民が安心して在宅医療を選択できる社会のあり方も考えます。

9.意思決定支援(西川 満則、高梨 早苗)

患者や家族が主体的に治療や終末期の過ごし方を意思決定することは、終末期の満足度に繋がります。その支援のために医療者が考え、学ぶべきことを講義します。

10.多職種連携(IPW)について(平原 佐斗司)

地域の健康課題を改善するためには、主体的に多職種で協働すること大切です。この節では、そのためのチームづくりや地域包括ケアシステムの構築について解説します。

11.地域包括ケアについて(田城 孝雄)

生活に配慮したサービスを提供するための地域包括ケアシステムを理解します。個別の患者支援につなげるためにも、地域包括ケアシステムの仕組みを創ることに医療者として関わることについても考えます。

12.保険診療と諸制度(永井 康徳)

制度を理解し活用することで、患者へのケアを改善できるケースがあります。この節では訪問看護が利用できる保険制度について学びます。

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